k01 フットワン開催日のこの日、ワールドカップ、日本代表対ロシア代表の試合が20:30から行なわれる。私達は、試合観戦するための場所を探していた。当初、大阪ドームで観戦する予定だったが、人数分チケットが取れずに当惑していた。20人近いメンバーが一緒に観戦するのである。そうそうそんな場所はない。あの人のあの場所を除いて…私達は、あの人の都合など気に留めることもなく、当然の如く、あの場所に押しかけていった!


あの場所というのは、レジスタンス宇宙人研究家の自宅である。25歳という若さにも関わらず、彼は一人で一戸建てに住んでいる。私達は、食料補給班とアシ確保班とにわかれそれぞれ別々に彼の家を目指した。順々に集まるメンバー達の靴で荒らされた玄関(右上図)。玄関同様、室内もまたこのように荒らされていくのであった。


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まだ、試合開始時間までには時間がある。予定通りである。私達は早速、空腹を満たすため食事の準備をはじめた。こういう時は、それぞれの家庭環境がよく分かるものである。食事の準備をする者、着くなりテレビを見る者、取り敢えず手伝おうとするが役に立たない者、記念にシャッターを押している者など様々であるが、普段からやっている事が現われるのである。それはさておき、空腹を満たし、ちょうど良い時間に食事を終える事ができ(一部の食いしん坊さんはまだ食べていた!)応援の準備に入る(上中図:ペインティングされるフジモンの図)。『君が代』の演奏が終わり、いよいよ選手達がピッチに入り試合開始を待つ。緊張の瞬間である。20:30!笛の音と共に予選リーグ2試合目ロシア戦が始まった。


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k07 両者譲らぬ前半が終わり、ハーフタイム中、前日のトルシエのインタビューが思い出された。「日本はとにかく負けなければ良い」監督は勝てない試合だと思っていたのだろうか?後半戦がはじまり食い入るようにテレビ画面を見つめるメンバー達。ベルギー戦から、そろそろどちらかが得点を決め手も良い時間帯、動いたのは日本である!後半、中田浩二からの低いパスを柳沢がダイレクトで稲本に!稲本、これを確実にロシアゴールに叩き込み日本先制!!ワッ~!!!と歓声やら悲鳴やらがスタジアムであがり、同時に私達のいるカジーコハウスでは一色歓声が上がった。揺れた。喜び小躍りするメンバー(上左図)、笑顔のメンバー(上右図)。その後、危ないシーンもあったが、明神らの活躍もあり、日本守り切り!1-0とロシアをくだしたのであった!!歴史的初勝利である!そう、歴史的勝利である。この勝利に日本中が湧いた!そう、私達も歓喜した!少なくとも、私達全員が歓喜しているように思えた。しかし、事実は恐ろしい。後日、この日の記録にと、撮り続けた写真を整理していると恐ろしい者がそこには写っていたのである。右下の写真を見てもらいたい。これは、日本が勝利を決めた直ぐ後におさめた写真である。『何ですか!?この表情は?このやる気のない顔は!!』どういう事であろう?日本の勝利が嬉しくないのか?まさに「僕チャンもう飽きちゃった…」的な表情である。ロシアの首都モスクワでは暴動が起こっているらしいが、この表情を公開した暁には、レジスタンス暴動も起こりかねない。この人一応レジスタンスの代表でサッカー好きな子です。


この事は、誰にも気付かれることなく、皆、岐路につく。電車のなくなった1名を除いて…


k08 私、毎日寝るのは深夜4時ぐらい。家主のカジーコはいまや会社員であり、平日は普通に朝は6時半に起きて7時半に家を出て9時には出勤する。当然、夜寝るのも早い。メンバーが引き上げてから直ぐに布団をひき、風呂に入り鼾をかきだした。私もそれに習ったのだが、やはり眠くない。仕方ないので、床には入るがメールでも打ってみる。全く眠くない。


k09 メンバーが帰った後の、カジーコハウスでの出来事を誰かに打った。眠くない。カジーコハウスの風呂のシャワーのノズルが外れたが、カジーコには内緒だと誰かにメールを打つ。眠くない。シャンプーと間違えて、ボディーソープで髪を洗って髪の毛がガピガピになったとメールを打つ。眠くない。冷凍庫の氷を出しておいてと誰かから電話がかかってくる。目が冴える。カジーコの布団と俺の布団の間は微妙な距離が開いているとメールを打つ。AVを発見したとメールを打つ。やべっちFCに岡村さん出てる!と思ったらドンドコの人やった…と勘違いする。こんな小さ~い発見とカジーコの鼾とで結局2時ぐらいまで起きていた。


翌朝になり、カジーコは「おはよう朝日」派なんだとわかる。俺的には目覚ましテレビの方が良かったのだが…マッ程なく出勤の時間になる。カジーコのスーツ姿なんてはじめて見た。もうパパの貫禄がある。ゴミをまとめる仕草はまさにそれだ!以前、私の家にたこ焼きパーティーをするといい、集まった男達に部屋を粉だらけにされた事があったが、それを思えばよくかたずけられた方だ。そんな事を考えながらカジーコとは梅田で分かれた。そして、更に約1時間30分かけて家を目指す。まだまだ着きそうにもない…